田舎出身の大学4年生。4年目にして、やっと都会の生活に慣れてきた。ひとりの時間が好き。
来たる2021年10月31日は衆議院選挙の投開票日である。現在地元である愛媛県に帰省中の私は、選挙当日は下宿先に戻っているうえ、予定があって選挙に行けない。ということで、先ほど期日前投票に行ってきた。
初めて投票に参加した前回の衆議院選挙から4年が経過した。当時18歳で参政権を得たばかりの私は、「政治家に期待なんかできない」という子どもじみた心持ちでいたけれど、得たばかりの権利を使ってみたいような気もして投票に行ったことを覚えている。あの時自分ひとりが投票することで、社会に何か直接的な変化を与えられたわけではない。けれど、それ以降選挙には必ず行っている。
投票所である市役所に足を踏み入れてから5分程度で投票を終えたのだが、「投票ってどうすればいいの?」と言う同世代の友人は少なくないし、難しくて面倒な作業だというイメージも強い。実際のところまったくそんなことはないし、多くの同世代にぜひ選挙に行ってほしい。そんな思いで、今回は投票の種類や方法を皆さんとおさらいしていきたい。
「本当に何も知らないんだけど、そもそも何に投票するの? 人?」
先週お茶をしたときに出てきた私の友人の言葉だ。候補者個人に投票する場合と政党に投票する場合があるというのは皆さんご存知だろう。それぞれ別の目的があって設定されている投票方法であるが、その説明は割愛する。
今回は、候補者の名前を書く投票(小選挙区)と政党の名前を書く投票(比例代表)が両方、別々にある。そこに最高裁判所裁判官への国民審査が加わるため、今回私たちが書く投票用紙は3枚だ。
① 候補者の名前を書く投票(小選挙区)
候補者個人の名前を書く、水色の紙での投票。候補者の名前を書き間違えたまま投票すると無効になってしまう(間違えた場合は、二重線を引いて横に書き直せば大丈夫)ため、投票ブースにある名前の一覧表を見ながら書く。
② 政党名を書く投票(比例代表)
政党名を書く、ピンク色の紙での投票。こちらも書き損じは無効になってしまうが、略称(例:自由民主党→自民党、立憲民主党→立憲)はOK。投票ブースに政党名あるいは公式の略称が書かれているため、見ながら書く。
③ 最高裁判所裁判官国民審査
現在の最高裁判所裁判官をやめさせるべきか否かを決める、緑色の紙での投票。辞めさせるべきと考える裁判官がいる場合、投票用紙に記載されている名前の上に「×」を付ける。
選挙当日に予定があるという場合に選択できるのが、「期日前投票」だ。仕事や学業・冠婚葬祭はもちろん、旅行やレジャーといった私用が理由の場合でもまったく問題ない。私も当日は大学のサークル活動に参加するため、今回は期日前投票を選択した。
期日前投票の方法
➀ 自宅に届いている「投票所入場整理券」を確認する。
②「投票所入場整理券」の裏面にある「期日前投票宣誓書」を記入。投票所でも書くことができるが、事前に書いておくとスムーズ。
③ 期日前投票所に行く。
・持ち物は「投票所入場整理券」のみ。
・自治体や時期によるが、役所の支所・ショッピングモール・大学などでも投票できる場合がある(詳しくは「○○市 期日前投票」で検索)。
・投票できるのは投開票日の前日、10月30日まで。
④ 係員の指示に従って投票
「不在者投票」は、選挙当日に住民票に記載されている住所地にいない場合に選択できる方法だ。特に注意したいのが、「市外・県外で一人暮らしをしているが、住民票は移していない」場合や、「住民票を移して3か月以内」の場合。私のように、選挙期間中に住民票に記載されている住所に帰省している場合などは選挙当日や期日前に投票が可能だが、上記のような場合は「不在者投票」を利用する必要がある。下に詳細を書くが、こちらは少し時間がかかるため、すぐに実行してほしい。
① 自分の住所のある市町村のサイトにアクセス
「○○市 不在者投票」などで検索すると、不在者投票の必要情報を示した市町村のサイトが出てくるため、アクセス。
②『投票用紙等請求書兼宣誓書』の記入
不在者投票のためには、まず住民票のある自治体から投票用紙を取り寄せる必要がある。そのために記入するのが『投票用紙等請求書兼宣誓書』。名前・住民票の住所・現住所などを記入し、印刷して自治体の選挙管理委員会に郵送。オンラインでの申請やメールでの送付を認めている場合もある。
③ 投票用紙が到着
請求が受理されると、投票用紙などが入った封筒が現住所に届く。送付された封筒の中に、投票用紙などが入った封筒が入っているため、こちらは未開封で持っていく。
④ 選挙管理委員会で投票
・住んでいる市町村の選挙管理委員会が指定した「不在者投票所」で投票。
・投票できるのは、投開票日前日の10月30日まで。
私の周りでも、「選挙って難しそう」「誰に投票したらいいのかわからない」「投票したい候補者や政党がない」「何も知らないのに投票なんか行けない」という声をよく耳にする。でも私は、必ずしも政治のことをしっかり知っていないと選挙に行ってはいけないとは思わないし、「絶対にこの人/この政党」というのがなくても選挙に行くべきだと思う。政治に関心がある人もない人もいるのが社会で、そんな社会を動かしていく人を決めるための選挙なのだから、もちろん情報収集は大事だけれど、政治に対する深い考えや知識がなくても投票に行っていいはずだ。
選挙は「私は政治に意見を言いますよ」という意思表示でもある。もし自分の一票が支持する候補者・政党の議席獲得に繋がらなくても、政権与党と自身の考えが合わなくても、あなたの一票は「私はあなたたちを見ていますよ」という声になる。政治家はその声を受けて、時に誰を重んじるのか、何をなすのか決めていく。だから、「自分たちが重んじられるべき存在である」というメッセージを発するために、選挙に行こう。
田舎出身の大学4年生。4年目にして、やっと都会の生活に慣れてきた。ひとりの時間が好き。