#youth|日本のサッカーファンが失望している訳
先日、FCバルセロナに所属するウスマン・デンベレ選手とアントワーヌ・グリーズマン選手が2019年のプレシーズンマッチで訪れた日本のホテルで日本人スタッフを差別していたことが話題になった。
#アジア人軽視 #BLM #All Lives Matter
identity
2021/08/02
執筆者 |
io
(いお)

大学2年生。趣味はスポーツ観戦とHIP HOPを聴くこと。最近は大谷翔平と佐藤輝明に興奮している。

世界的なアジア人軽視

 

先日、FCバルセロナに所属するウスマン・デンベレ選手とアントワーヌ・グリーズマン選手が2019年のプレシーズンマッチで訪れた日本のホテルで日本人スタッフを差別していたことが話題になった。デンベレは日本人スタッフに対し、「醜い顔」「酷い言葉だ」と発言していたことが明らかになった。しかし、彼らの謝罪はInstagramのストーリー機能(24時間限定)とFCバルセロナのスポンサーである楽天のオーナー三木谷氏に対する謝罪のみであった。また、FCバルセロナ公式サイトも日本人向けに謝罪しただけで、スペイン語版、英語版では謝罪文が掲載されていたものの、目立った位置には掲載されていなかった。フランスサッカー協会会長も彼らを「2人は心優しい青年だ」と擁護した。これだけでも、アジア人軽視が明らかであろう。

 

黒人との違いとは?

日本のサッカーファンが激怒するなか、ヨーロッパではEURO2020が行われた。PK戦の末、イタリアがイングランドを下して優勝した。じつはこのPK戦なのだが、外したイングランドの選手がすべて黒人選手であり、試合後、彼らのもとには誹謗中傷コメントが寄せられた。この件に対し、日本人差別に対して、スペイン語版Twitterでとくに言及しなかったFCバルセロナ公式サイトが声明を発表している。日本人差別を行った自チームの選手に対してとくに罰を与えたわけでもないチームが差別反対と声を上げたところで、行動が矛盾しているように思う。はたしてこのチームは本当に人種差別を根絶するため、動いているといえるのだろうか。黒人差別のみに声を上げることがはたして世の中をより良い方向に動かすことに繋がるのだろうか。

 

BLMだけでいいのか

 

世界では黒人差別ばかりがピックアップされているように思う。差別はどの人種に対しても、けっしてやってはいけないことである。そのような当たり前のことが軽視されているように思う。大事なのは「All Lives Matter」の考えである。私たちが30、40代になり、社会の中心となったときに、世界から差別が消えている世界を実現するには、どのような人種であっても尊重されるような価値観が共有されている必要がある。だが、残念ながら現状は、そのような状況を作り出すことはできていないように思う。

 

差別反対を訴え、トランプ大統領に対する批判をしばしば行っていたミーガン・ラピノー選手過去にアジア人差別をしていたケースが存在する。10年前のツイートとはいえ、許されない発言であろう。このほかにも、BLMを訴えながらも、アジア人に対して差別を行っていた選手も存在する。もちろん、過去の発言であり、現在は改心していると信じたいが、このようなダブルスタンダードのケースはサッカー界だけでも何件か存在する。

 

アジア人軽視を解消していくためには

 

一人ひとりが、声を上げていくことがとても大事なのではないかと考える。BLM運動が世界的ムーブメントになった理由も、声を上げ続けたことがひとつ要因として挙げられるように思う。対照的に、日本人はあまり声を上げないように思う。今回、差別された件を見ていても、差別に敏感すぎると発言して炎上した中居正広氏のような例も存在する。日本人もアジア人差別の例外ではないのだ。それを肝に銘じ、差別根絶に向け声を上げていくことが私たちにできることではないだろうか。

identity
2021/08/02
執筆者 |
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(いお)

大学2年生。趣味はスポーツ観戦とHIP HOPを聴くこと。最近は大谷翔平と佐藤輝明に興奮している。

写真 | Damitry Pukalik, CC BY-SA 3.0
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